Interview

人がつくり、人が使い、人が楽しむ。新規事業は気づきの連鎖。人事担当中村 公香

一人ひとりへの意識が、新しい気づきをもたらす

新規事業はどんなにシミュレーションし尽くしても、見えなかった改善点が次々に現れます。
実際に初業態となった「ママと子どものレストラン mamama cafe」でも、毎日様々な気づきがあります。

ミルク用のウォーターサーバーや電子レンジの設置、切り分け用のキッチンばさみなど、設備面ではしっかりと時間をかけて準備してきました。
しかし、サービスというのは提供するのも使うのも人。サービスの質は人で決まってしまうといっても過言ではないと思います。
当たり前のことですが、働くスタッフも人。そしてみんなそれぞれ個性を持った人です。
例え同じ人だとしても、同じことを気分良くやっている時と、落ち込んでやっている時とではスピード感やクオリティにも差がでます。
やっぱり働くからには、楽しんで働いてもらいたいですよね?スタッフのモチベーションは特に気になってしまいます。
そんな心の機微を感じ取って、先回りして声をかけてみる。「あれ?おかしいな?」が、自分の勘違いだったらいいのですが、いち早く声をかけてあげる事で解決の糸口がみえればいいなと思っています。

人間だから落ち込むこともありますよね?だけど、それはお客様には関係のないこと。お客様にとっては、そのサービスの瞬間が全てです。
新規事業ではなおさら、その瞬間が大きく影響します。
私たちが提供するサービスだけでは社会が大きく変わることは難しいと思っています。「あのサービスいいな。真似してみよう」と類似サービスが増え、定着してこそ、社会が大きく変わるのだと思います。
「あのサービス良くなかったな」そうなってしまっては、大きな社会損失になる可能性も秘めているので、手を抜くことはできませんよね。

気づきの連鎖が事業を成功に導く

例えば、レストランで子どもが何かを落とした。という状況が起こったとします。
その時に「どうされましたか?」と駆け寄って対応するのでは遅いと思うんですよね。
瞬間的に情報を精査し、判断することもできます。
例えば音。飲食店で、お客様がちょっとした声をあげた。その瞬間、金属音ではなく乾いた音が響くが、何かがこぼれた様子はない。となれば、子どもが持っていた専用のスプーンかフォークの可能性が高いのではないか?と判断できます。
瞬間的にその2つとふきんを手に持ち、席に駆け寄る。
違ったらスプーンとフォークを元に戻して、再度対応すればいいだけですから。
子どもを持つお母さんにとっては、トラブルはストレスの素。なるべく早く状況を改善するためにはどうすればいいか?
ちょっと極端な例ですが、当たり前のサポートでは、感動を呼び起こせませんよね(笑)。

新規事業は、今まで世の中に存在しなかったサービスになる可能性が高いです。
これはどうやって使うんだろう?どんな人が利用できるんだろう?
それならばまだいいのですが、自分には利用できない。自分とは関係ない。と思い込んでしまう方もいると思います。
せっかくのサービスも戸惑いながら利用するのでは、魅力も半減してしまいます。
このお客様は何に戸惑っているのか?どうしたいのか?など、あらゆる可能性をもって見なければいけないと思います。

サービスは人がつくる。
関わる人がみんな、楽しくなる。
そんなサービスにするために、毎日気を配っていますね。